腹痛や下痢、おう吐などの症状が急に出たときに疑われるもののひとつが「食中毒」です。
食中毒は、O-157などの「細菌性」、ノロウィルスなどの「ウィルス性」、キノコなどの「自然毒」などで起こります。
ここでは「細菌性」、「ウィルス性」の食中毒の予防についてご紹介します。
食中毒は、飲食店など外で食べる食事だけでなく、家庭でも発生しています。家庭での食中毒を防ぐのは、食材を選び、調理する皆さん自身です。3つの原則と6つのポイントで食中毒を防ぎましょう。
3つの原則って?
食中毒を予防する、細菌を「つけない」、「増やさない」、「やっつける」ことが3つの原則です。
つけない
基本は手洗いです!
手には色々な雑菌が付いています。食べ物を触る時には必ず手洗いをして、食中毒の原因となる菌やウィルスを、「食べ物につけない」ようにしましょう。
- 調理を始める前
- 生の肉や魚、卵などを扱う前後
- 調理の途中でトイレに行ったり、鼻をかんだりした後
- オムツを交換したり、動物に触った後
- 食卓に着く前
- 残った食品を扱う前
加熱しないで食べる野菜などへ菌が付かないよう、生の魚や肉などを切った後のまな板や包丁など調理器具はきれいに洗い、できれば殺菌しましょう。
焼肉などの時は、生の肉を扱う箸と焼けた肉を扱う箸は別のものを使いましょう。
増やさない
食べ物に付いた菌を増やさないためには低温で保存することが重要です。
冷蔵庫で保存しなければならない食品を買ったときは、寄り道せず、帰ったらすぐ冷蔵庫へ入れましょう。冷蔵庫に入れても、菌はゆっくりと増殖します。冷蔵庫を過信しないで早めに食べましょう。
やっつける
加熱する食品は中心部までしっかり火を通しましょう。
ほとんどの菌やウィルスは加熱によって死滅します。肉や魚、野菜なども加熱して食べると安心です。特に、肉は中心部を75℃で1分以上加熱することが目安です。
6つのポイントって?
食中毒を予防する6つのポイントを具体的に紹介します。
1.食品の購入
- 消費期限を確認する。
- 肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品は最後に買う。
- 肉や魚などの水分が他の食品に付かないように分けてビニール袋に入れる。
- 寄り道しないでまっすぐ帰る。
2.家庭での保存
- 持ち帰ったらすぐ冷蔵庫、冷凍庫へ入れる。
- 肉や魚などの水分が他の食品に付かないように袋や容器に分けて入れる。
- 肉や魚、卵を扱う前後は手洗いをする。
- 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ。
- 冷蔵庫、冷凍庫に詰めすぎない。目安は7割くらい。
3.下準備
- 正しく手洗いをする。
- タオルやふきんは清潔なものと取り替える。
- 包丁やまな板を肉用、魚用、野菜用と別々に分けると安全。
- 調理器具は使う前によく洗う
- 野菜などの食材を流水できれいに洗う。
- 生の肉や魚などの水分が他の食品に付かないようにする。
- 生肉や魚、卵を触ったら手を洗う。
- 冷凍食品の解凍は電子レンジや冷蔵庫を利用し、自然解凍は避ける。
- 冷凍食品は使う分だけ解凍。冷凍や解凍を繰り返さない。
4.調理
- 調理の前に手を洗う。
- 肉や魚は十分に加熱。中心部を75℃で1分間以上の加熱が目安。
5.食事
- 食べる前によく手を洗う。
- 清潔な食器を使う
- 作った料理を長時間室内に放置しない。
6.残った食品
- 残った食品を扱う前にも手を洗う。
- 清潔な容器に保存する。
- 温め直すときも十分に加熱する。
- 時間が経ち過ぎたものは思い切って捨てる。
- ちょっとでも怪しいと思ったら捨てる。
正しい手の洗い方など、食中毒に関する詳しいことは農林水産省のHPへ
毒キノコに関する情報は内閣府 食品安全委員会HPへ